白昼夢で踊る犬

本書に一切真実はない。全ては真っ赤な嘘である。

異国を思うみたいに。

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グールドの弾くショパンピアノソナタはとてもショパン的ではなく、それでもグールドは歌っていた。

響かせず、繋ぎの音のみ響かせて。

全く別の曲みたいに聴こえる。

君が誰かの側で笑っていてくれるなら私は充分だし、それが晴天だったらいいねって思う。

そして何か良い風が吹いても私も君もお互いもう交わらない。

何処か遠くの国にしか存在しないみたいに、灯りを落として眠ろう。

もうすぐ咲くはずの桜が私の瞼の裏でハラハラと散っている。

色々なモノゴトが彼女や彼を傷つけるし、色々なものを彼女と彼は傷つけるよ。

風が吹き抜けてそれが一周してそっと髪を揺らす。

私はどうしようもない気持ちを抱えながらピアノに向き合う。